
医師から交付された死亡診断書は、役所への届出後「死亡届受理証明書」などの形になります。
火葬・埋葬の際に使用した火葬許可証・埋葬許可証は、お墓や納骨堂への納骨手続きで必要になる場合があります。
これらは、相続手続きや各種解約手続きでも必要になることがありますので、なくさないよう、ファイルなどにまとめて大切に保管してください。
葬儀費用・お布施・会食費・返礼品代などの領収書を1か所にまとめて保管しておきます。
後の相続税申告や、会社へ「弔慰金」申請などを行う際、金額確認のために役立ちます。
香典をいただいた方のリスト(香典帳)や会葬者名簿は、後日の香典返しの手配・挨拶状作成に必要です。
葬儀社がデータ化してくれている場合は、その控えの場所を確認しておきましょう。
四十九日法要・納骨の予定を、菩提寺や霊園と相談しながら大まかに決めておきます。
遠方の親族が多い場合は、日程調整に時間がかかることもあるため、早めに「候補日」を考えておくとスムーズです。
亡くなった方が世帯主だった場合、市区町村役場で世帯主変更の手続きが必要です。
住所変更が発生する場合(ご家族が転居する予定など)は、あわせて確認します。
[ 主な持ち物の例 ]
ご遺族の本人確認書類、マイナンバーカードや保険証 など
(詳細は市区町村で異なります)
亡くなった方が加入していた健康保険の種類によって、手続きが異なります。
[ 国民健康保険・後期高齢者医療に加入していた場合 ]
市区町村役場の担当窓口で資格喪失の届出を行います。
あわせて、条件を満たす場合は「葬祭費(埋葬料)」などの給付を申請できます。
[ 会社の健康保険(社会保険)に加入していた場合 ]
勤務先の総務担当、または健康保険組合を通して手続きします。
健康保険から支給される埋葬料(埋葬費)の申請も、このタイミングで行います。
[ 要介護認定を受けて介護保険サービスを利用していた場合 ]
市区町村役場にて、介護保険の資格喪失手続きを行います。
介護保険証の返却が必要です。
デイサービス・訪問介護などの事業所にも、利用終了の連絡をします。
年金関係は、支給停止の手続きと、条件によっては遺族年金の請求が必要になります。
国民年金・厚生年金・共済年金 など加入状況に応じて、年金事務所や共済組合などの窓口で手続きします。
手続きをしないと、年金が振り込まれ続けてしまう場合があり、後日返還が必要になることもありますので注意が必要です。
[ 主な手続きの例 ]
年金受給権者死亡届
遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金・死亡一時金などの請求
必要書類には、戸籍謄本・住民票・死亡診断書(写し)・世帯全員の情報などが必要になることがあります。
亡くなった方が現役で働いていた場合、会社への連絡は葬儀前後で済んでいることが多いですが、その後、
・退職に伴う手続き
・最終給与/退職金/弔慰金
・社会保険/厚生年金の調整
などの手続きが行われます。
詳細は勤務先の担当者と相談しながら進めましょう。
生命保険や共済保険に加入していた場合、請求には期限があるものも多いです。
1. 保険証券や加入証書を探す
(ファイルや通帳、郵便物などを確認)
2. 各保険会社・共済組合へ連絡
3. 所定の書類(請求書・死亡診断書のコピー・戸籍謄本など)を提出
生命保険金は、相続税の計算上、非課税枠が設けられている場合もあり、相続全体のご相談とあわせて検討すると安心です。
・勤務先や組合からの弔慰金
・労災保険の給付(業務災害/通勤災害の場合)
・各種共済/団体保険の給付
・町内会/自治会からの弔慰金
など、所属していた団体によってさまざまな給付があります。
心当たりがある場合は、早めに問合せをしてみましょう。
口座名義人が亡くなったことが分かると、金融機関によっては口座が凍結(出入金ができない状態)されます。
通常、相続人全員の合意のもとで、「相続手続き」「名義変更」「解約」などを行う必要があります。
[ 主な流れの一例 ]
1. 相続人の確認(戸籍謄本で誰が相続人かを調べる)
2. 各金融機関に連絡し、必要書類を確認
3. 遺言書の有無、遺産分割協議書の作成 などを経て、手続きを進める
クレジットカード会社へ連絡し、カードの利用停止・解約を行います。
カードで設定していた
・公共料金
・通信費(携帯/インターネット)
・サブスクリプションサービス(動画/音楽など)
の引き落とし先の変更や解約も忘れないようにしましょう。
カード利用分の未払い残高がある場合は、支払い方法について確認が必要です。
亡くなった方名義になっている契約は、
・電気/ガス/水道
・固定電話/インターネット回線
・携帯電話
・NHK受信料
・各種会員サービス
など、生活のあらゆる場面にあります。
転居予定があるかどうか、今後も使用を続けるかどうかに応じて、
・名義変更
・解約
・一時休止
などの手続きを行います。
まずは、以下を整理します。
・法律上の相続人は誰か(配偶者/子ども/親/兄弟姉妹など)
・遺言書の有無
・遺産の全体像
(預貯金・不動産・有価証券・自動車・貴金属・借金・連帯保証など)
遺言書が見つかった場合:
・自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認が必要となる場合があります。
・公正証書遺言の場合は、検認不要で、その内容に沿って手続きを進めます。
[ 相続放棄・限定承認の期限 ]
原則として、相続があったことを知った日から3か月以内
[ 準確定申告(被相続人の所得税の申告) ]
相続開始を知った日の翌日から4か月以内
[ 相続税の申告・納付 ]
相続開始を知った日の翌日から10か月以内
借金や連帯保証など、マイナスの財産が多い可能性がある場合は、早めに専門家(弁護士・司法書士・税理士など)へ相談しましょう。
相続人全員で話し合い、「誰が・何を・どの割合で相続するか」を決めます。
合意した内容を書面にまとめたものが遺産分割協議書です。
その後、それぞれの遺産について手続きを行います。
不動産:法務局で相続登記(名義変更)
預貯金:各金融機関で払戻・名義変更
株式・投資信託など:証券会社での手続き
自動車:運輸支局で名義変更
借入金:金融機関と返済方法の調整
一般的な目安として、
・初七日
・二七日~六七日
・四十九日(忌明け)
などの法要を行います。
最近では、初七日を葬儀当日に繰り上げて行うケースも増えています。
四十九日は、納骨のタイミングとして選ばれることも多く、ご住職・霊園・ご親族と相談しながら日程を決めます。
納骨先にはさまざまな選択肢があります。
・既にあるお墓への納骨
・新しくお墓を建てる
・納骨堂/合葬墓/樹木葬
・寺院での永代供養
・海洋散骨 など
ご家族のご意向や、後々のお参りのしやすさ、費用などを考慮しながら検討します。
「お墓を持たない供養」を選ばれる方も増えており、事前に寺院や霊園、専門業者に相談すると安心です。
・白木位牌から、本位牌への切り替え
・仏壇/仏具の準備、買い替え
・遺影写真の作成/複製
なども、四十九日や一周忌に合わせて準備することが多いです。
香典をいただいた方へ、香典返し(返礼品)をお送りするタイミングとしては、四十九日前後~一周忌までに行うケースが多く見られます。
「満中陰志(まんちゅういんし)」「忌明志」などの表書きを添えた品物と、挨拶状を一緒にお送りするのが一般的です。
香典帳をもとに、
・誰に
・どの金額をいただき
・どの品物をお返ししたか
をわかるようにしておくと、後のトラブル防止にもつながります。
遺品整理は、心の整理とも深く関わる作業です。
無理に急がず、少しずつ進めていく方法もあれば、体力的・時間的なご負担を減らすために専門の遺品整理業者に依頼する方法もあります。
[ 整理のポイント ]
・残したいもの(形見)
・処分するもの
・寄付やリサイクルが可能なもの
などに分けて考えるとスムーズです。
思い出の品や愛用品を、親族や近しい方々で分け合うことを形見分けといいます。
高価な貴金属や美術品など、価値の高いものについては、相続財産として取り扱う必要がある場合もあります。
場合によっては専門家への相談が安心です。
賃貸住宅の場合、退去日までの家賃発生や、原状回復の範囲など契約上のルールを確認することが大切です。
介護施設・高齢者住宅などにご入居されていた場合も、
契約書を確認し、施設担当者と相談しながら荷物の搬出や居室の明け渡し日を決めます。
近年、スマートフォンやパソコンの普及により、故人が生前に使用していたデジタル上の情報や契約が数多く残されるようになりました。
これらは一般に「デジタル遺品」と呼ばれています。
デジタル遺品には、写真や連絡先といった思い出のデータだけでなく、メール、SNSアカウント、ネット銀行、各種オンラインサービスの契約情報など、生活や財産に関わる重要な情報が含まれている場合もあります。
葬儀後は気持ちの整理や各種手続きに追われがちですが、デジタル遺品についても、存在を知っておくことが大切です。
デジタル遺品の中でも、まず確認の中心となるのが、故人が使用していたスマートフォンやパソコンです。
これらの端末には、
・家族や知人の連絡先
・写真や動画
・各種アプリやサービスへの入口
が集約されています。
一方で、無理に操作したり、初期化してしまうとデータが失われる可能性もあります。
ロックがかかっている場合や操作に不安がある場合は、慎重に対応することが大切です。
すぐに整理を進める必要はありませんが、「どの端末があるのか」「どこに保管されているか」を把握しておくだけでも、後の対応がしやすくなります。
故人が利用していたSNSやメールアカウントについて、「残したままでよいのか」「整理したほうがよいのか」と悩まれる方も少なくありません。
対応方法には、
・そのまま残す
・削除を検討する
・追悼用として残す
など、さまざまな考え方があります。
大切なのは、ご遺族が無理のない形を選ぶことです。
必ずしも急いで判断する必要はなく、時間をかけて考えても問題ありません。
なお、第三者が故人のアカウントに無断でログインすることは、トラブルの原因となる場合もあります。
不安な場合は、各サービスの公式案内を確認するか、専門窓口に相談することをおすすめします。
近年は、銀行口座や証券口座をインターネット上のみで管理しているケースも増えています。
また、電子マネーやスマートフォン決済、暗号資産などを利用していた可能性も考えられます。
これらは紙の通帳や書類が残らないことも多く、存在に気づきにくい点が特徴です。
スマートフォンやパソコンの中に、
・金融機関のアプリ
・取引通知のメール
などがないかを、落ち着いたタイミングで確認してみるとよいでしょう。
具体的な相続手続きについては、内容が専門的になるため、必要に応じて金融機関や専門家へ相談することが安心です。
動画配信サービスや音楽配信、クラウドストレージなど、月額・年額で料金が発生する「サブスクリプションサービス」を利用していた場合、解約しない限り料金が引き落とされ続けることがあります。
クレジットカードの明細や、登録メールを確認することで、利用中のサービスが見つかることもあります。
すべてを一度に整理する必要はありませんが、気づいたものから少しずつ対応していくと負担が軽減されます。
デジタル遺品の整理は、必ずしも葬儀後すぐに行わなければならないものではありません。
気持ちの整理がつかない時期に無理をすると、かえって心身の負担になることもあります。
一方で、
・定期的に料金が発生するもの
・重要な連絡が届く可能性があるもの
については、早めに把握しておくと安心です。
ご自身やご家族の状況に合わせて、無理のないペースで進めていきましょう。
近年では、将来に備えてデジタル情報を整理しておく「デジタル終活」に関心を持つ方も増えています。
・利用しているサービスの一覧
・大切なデータの保管場所
・家族に伝えておきたいこと
などを、エンディングノートなどにまとめておくことで、残されるご家族の負担を軽減することにつながります。
葬儀を終えたあとに、ご自身のことを考えるきっかけとして、少しずつ備えていくのも一つの選択です。